64ロクヨン(後編)2016年06月14日

県警広報部と記者クラブとの間で繰り広げられる諍いが中心だった前編は力作だった。
本格的に事件を追いかける事になる後編である。
原作のクライマックスでは、新たに発生するロクヨン模倣誘拐事件と主人公の広報活動が同時進行して強烈な緊迫感をもたらす。終幕で犯人の動機が明らかになり物語に深い余韻を残すのだが、映画ではラストが追加されてしまった為に間延びしたような印象が拭えない。これは私が本を先に読んだから感じた事なのかもしれない。
地方(ここでは群馬)に対する中央(東京)の傲慢な意識は警察組織だけではなくマスコミも同じで、誘拐報道で東京から派遣されてきた記者たちが、自社の現地担当者を罵倒する場面がある。前編では仇敵のような雰囲気だった地元記者たちが、悔しさをあらわにして主人公たちに訴えてきて、(一時的なものだろうが)わずかに仲間意識のようなものが生まれるのだ。

犯罪ドラマにおいて電話は重要なパーツだが、昭和と平成の対比が面白い。公衆電話、90年代まではよく使ったもんな。
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