虐殺器官2017年02月03日

テロが横行する近未来の話である。情報管理が厳格になった世界で暗躍している戦争犯罪人を暗殺するという使命を帯びた米国特殊部隊の姿が描かれる。実写で映画化した方が良さそうな内容だが、予算がかかりすぎるのかもしれない。劇場用アニメーションとして制作されたようです。シリアスな内容でキャラクターデザインも写実的な劇画調だ。顔の睫毛や唇のテカり、凝った髪型など人間の造形、さらには服装(軍服など)のデザイン、果ては武器のディテールに至るまで細かく作り込まれていて、現実に存在するかのような完成度だった。
作画の優れたアニメーションは、いい。

フィッシングショー20172017年02月04日

インテックス大阪に行ってきました。一年に一度のお祭りですが、毎年、二月の初旬に開催されるということもあり、釣りファンにとっては、このイベントからこれからの一年が始まるという雰囲気があります。
各メーカーの目玉品が展示されていて、飽きません。何よりも普段テレビでしかみられないプロアングラーやレポーターの方々がことごとく一同に集結するのが、この場なのです。
これはエバーグリーンのブースです。かなりの大スターが揃っています。

ブラック.ファイル 野心の代償2017年02月07日

発端は巨大製薬会社の不正である。ことの真相を暴こうとするのが潔癖な正義漢ならば単純な勧善懲悪の物語になるのだが、この話はそうではない。野心家の弁護士と腹の中に一物ありそうなその妻(職業は医師だ)、悪行をものとせず社会を牛耳る製薬会社CEOと機密を持ち出すその愛人、死にかけた謎の東洋人、金に貧欲な弁護士事務所の代表、すべてが胡散臭い人物ばかりで、誰も信用できない。
途中で殺人事件が起こるのだが、死体が忽然と別の場所に移動して、犯人は分からず、予測のできない展開になる。私には必ずしも納得のいく終わり方ではなかったが、謎めいた本格推理小説のような描写が新鮮だった。

「ドクター.ストレンジ」「ミス. ペレグレンと奇妙なこどもたち」2017年02月10日

ドクター.ストレンジ

予告編で見た、風景が歪む映像は「インセプション」みたいだった。「ーストレンジ」はアメコミのヒーローものなので、シリアスな作風だった前者とは全然違う映画のトーンである。主役のベネディクト・カンバーバッチはギリシア彫刻のごとく日本人には絶対にありえないような顔立ちで、そのビジュアルだけでも充分にキャラが立っているといえよう。仮面ライダーみたいに「変身」する必要は全くないのだ。生きている赤いマントが面白かった。

映画が始まる前に「クレジットの後にも映像がございます。最後までお楽しみください」とあった。実際、本編が終わった後に映画のタイトルが表示され、続いて特典映像のようなものがあるのだ。ほとんどの人はここで席を立って外に出てしまうのだが、長いクレジットが終わったとき、もう一回映像が出てくる。これを見た人はほんの一部の観客だけだった。(蛇足)


ミス.ペレグレンと奇妙なこどもたち

全ての作品を見ているわけではないけれど、テイム.バートン監督は金髪の女が好きである。「バットマン」の頃から、その嗜好は変わっていないように感じる。子供も楽しんで鑑賞できるようなおとぎ話の世界だけど、案外グロテスクな表現が出てくるのもこの監督の特徴のように思った。いろんな能力を持った子供たちが出てきますが、最も印象が強かったのは透明人間です。姿が見えないから服の上に帽子が浮かんでいるという外見なのですが、時々裸になって活躍してくれます。主人公のジェイクが持つ特殊能力は本人すら気がつかない極めて地味なもので、映画の中でも後半になるまでわからない。しかし重要な意味があったのだ。

海底の客船が浮かび上がってくる場面は「タイタニック」の沈没シーンを逆回しにしたような印象だった。


「セル」「サバイバルファミリー」2017年02月17日

セル

私の中ではスティーブン.キング原作の映画は好みによって当たり外れがある。これは携帯電話で通話することによって人間が狂い始めるという話である。導入部の空港でのパニック描写が秀逸で一気に引き込まれたけれど、緊張感は途中で失速したように感じてしまった。昼間は襲ってくるが、日が落ちると大人しくなるというゾンビ(そう呼ぶのは正確ではないかもしれないが)の習性は不気味だった。ラストシーンがわかりにくく、どう解釈したらいいものか。


サバイバルファミリー

東京で生活する四人家族。ある日突然に全ての電気が使えなくなる。通常の停電かと思われた事態は予想したよりも深刻で何日経っても復旧しない。やがて水や食料が不足し始め「大阪では電気が使えるらしい」という噂を頼りに、一家は自転車で高速道路を通って西の方向を目指すことに。途中からロードムービーになり、どこにも電気が通っていないことを悟った主人公たちはお母さんの実家がある鹿児島に行くことを決心するのだ。

災厄が起こったとき始めは仕事の心配をするけれど、それが危険なものだと気がついたら、人は家族の元へと向かう。当たり前だけどそれが本能なのだと思いました。


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