哭声/コクソン2017年03月22日

韓国映画、二時間三十六分、長い作品である。冒頭、気味が悪いよそ者として村人たちから不審に思われている日本人がいる。山の中、裸同然の姿で死んだ動物の肉を食べていたという。
村の中で猟奇的な連続殺人が発生する。事件を捜査する警察官の姿を追いかける導入部は、サスペンス映画の様相である。犯人はわかっている。狂った住人が自分の家族を殺すというものだ。当初は毒キノコを食べたことによる中毒症状が疑われるのだが、小さな村で事件は収まる気配を見せず、やがて警察官の娘にも殺人犯たちと同じような症状が現れるのだ。娘の異常な兆候に恐れをなした警官の家族が祈祷師を呼び寄せるあたりから、映画の中に悪霊の気配が漂い始め、住民の中で得体の知れないものを排除しようとする集団心理が湧き上がってくるのだ。
悪魔祓いの儀式が始まる段階になると、登場人物たちはみな正気を失ってきて、大勢で日本人を殺しに行くという魔女狩りのような様相を呈してくるのだ。其処に立ちはだかるのはゾンビだ。
登場人物の中に謎の女がいる。カードゲームのジョーカーのような存在である。惑わされてはいけない。
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