スプリット2017年05月12日

「シックス.センス」は良かったけれど、それ以外ではあまりパッとしない印象の監督さんである。
予測不能な脚本が身上の作風で、映像のセンスが好みなので、全部の作品ではないけれど、私はよく見ています。
ショッピングセンターの駐車場で女子高生三人が乗る車の運転席に突然に侵入してくる男。どこにでもいるような普通の風貌をしているので、最初、女子たちは「間違いだから出て行け」みたいなことを言うのだが、怪しげなスプレーを顔面に噴射されて、全員気を失ってしまう。この導入部は怖い。日常生活において、本当にありそうだからである。観客は被害者の女の子たちに感情移入して、この先どんな恐ろしい目にあわされるのか、背筋が寒くなるような思いをするだろう。日本における現実の世界でも、子供や若い女性が車の男に拉致されたというニュースは何度も目にしているからである。
連れて行かれるのは何処とも知れない窓のない建物の中で、暗く狭く音もなく、余計に不安を駆り立てられるような場所である。と、ここから先が一筋縄では行かない展開になってくる。誘拐犯の男は複数の人格を持つ精神異常者だったのだ。密室の中で彼女らの前に姿を見せるたびに別の人間として現れるのだ。人を閉じ込める目的がわからず、性格がカメレオンのように変幻し、逃げようとすれば虐待がエスカレートして、服を脱がされ、一人きりで別の部屋に監禁され、終わりの見えない恐怖が続く。
予想もしないような結末があるのだが、シャラマン監督作品のファンならば「ここに来たか」と思えるのかも知れない。
例によって予備知識が全然ない方が楽しめると思います。

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