「追憶」「光をくれた人」2017年06月05日

追憶

降旗康男監督といえば高倉健の映画、というイメージが私にはあります。

殺人事件を扱った土曜サスペンス劇場のようなメロドラマですが、映像の美しさは相当なものです。背景に見える雪山やら、桜の花やら、海辺の夕日やら、必要以上に綺麗に映っているので、立派な映画として見ごたえがある作品になっていると思いました。岡田准一は顔が濃いです。

光をくれた人

全然違う話なのだが、真っ先に思い出したのが邦画の「八日目の蝉」だった。共通しているのは他人の子供を無断で連れてきて自分のものにするという点である。子供を産むことができなかった女性の苦悩が根底にある話なのだ。生理的な部分で男には想像できにくい領域であるように思います。

映画の始まりは戦争で心に傷を負った軍人が、孤独を求めて僻地の灯台守りになるというものであります。

私の中では人との繋がりを断って一人になりたいはずの男が簡単に女と結婚してしまうという展開に限りなく違和感を覚えずにはいられませんが。

海の風景と波の音が素晴らしく、人間ドラマよりもそちらの方が心の栄養になりました。


セールスマン2017年06月21日

イランの映画であるらしい。普段はなかなか鑑賞する機会がないと思われる国の作品だ。カンヌやハリウッドの有名な映画祭で賞を受け、話題になったからこそ、お目にかかることができたのではないのだろうか。
それでも私が普段通っている映画館では上映していなくて、電車に乗って街中まで出かけなければならなかった。
習慣の違いといえばそれまでなのかもしれないが、イランの女性は家の中でも頭の上に布を被って生活しており、顔を洗うときですら、外すことがない。
物語は引越し先の住宅で夫の留守中に妻が侵入してきた暴漢に襲われ、心に深い傷を受けるというものだ。
冒頭から最後まで人間同士の重苦しい心理劇が続き、見る者の心に刺さって苦しくなるような作品だった。

映画の帰りに阪急三番街に立ち寄ってインディアンカレーを食べてきた。
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