「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」「氷菓」2017年11月07日

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶

現代と1930年代の満州国を舞台としたグルメ作品。七十年前の満州で天皇陛下の料理番、山形直太朗が開発したという「大日本帝国食菜全席」を現代に再現しろという話である。使命を帯びるのは究極の味覚を持つ天才料理人、佐々木充。

依頼を受けた佐々木が山形ゆかりの人物を訪ね歩きながら、七十年前のレシピの真相を追いかけていくのだ。

当初から料理の内容を探っていくというよりは、山形の生き様を辿っていくような内容で、現実に口にすることができる料理は、わずかしかないのだ。何かを極めようとすれば失うものも大きい。今も昔も変わらない。


「ふざけるな」このセリフ、現代の監督や脚本家は使うのをやめようとは思わないのだろうか。

氷菓

姉の指令で自分が通う高校の「古典部」に入部してしまった男子高校生の話。

青春ドラマの様相を呈して入るけれど、三十三年前の事件を素人探偵が現在に残された資料をたどって真相を追いかけてゆくという展開はスティーグ.ラーソンの「ドラゴン.タトゥーの女」みたいである。

あくまでも学園ものなので、おどろおどろしい描写はないし、明るいタッチで話は進行するのですが、やがて明るみになる過去の現実は陰鬱なものに他ならない。

事件が起こったとされるのは1967年で逆算すると映画の舞台になっているのは2000年ということになる。主人公の高校生たちが携帯電話を持っていない。あぁ、いい時代である。


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