ペンギン.ハイウェイ2018年08月21日

カフカの「変身」という小説を思い出した。ある朝、男が夢から目覚めると自分がベッドの上で強大な毒虫に変わっているのに気がついた、というアレである。
目の前に起こった事実をあるがままに記録し、その経過を観察し、論理的にに思考して、その本質を理解する。
小学四年生のアオヤマ君は、子供にして一人前の学者である。興味を抱いた事柄については細かくノートに書き込んで、真面目に研究するような少年なのだ。目下の研究対象は町を流れる小川の水源をたどることと、海がないのに町中に出現したペンギンの謎である。
アオヤマ君は自分が通っている歯科医院で働いているお姉さんが好きである。おっぱいが大きくて気に入っているというところも男の子らしくて微笑ましい。ペンギンの群れが歩いた跡にできる道をペンギン.ハイウェイと呼ぶことを知り、彼らがどこから来てどこに行くのかを真面目に観察しているうちはいい。
ある日、お姉さんが空に向かって投げたコーラの缶がペンギンに変身する。不条理である。ここを境に映画はやや難しくなってくる。アオヤマ君のクラスメイトのハマモトさんは小学生にして相対性理論を読んでいるような少女である。彼女はチェスが強く、誰も勝てない。研究好きのアオヤマ君に自分と同じニオイを感じるのか、興味を持っているようだ。ある日、アオヤマ君はハマモトさんにチェスで勝つのだが、それをきっかけに森の奥にある秘密の場所に連れて行ってもらうことになる。そこには水で出来た球体が浮かんでいる。
小川には水源がなくメビウスの輪のように初めと終わりが繋がっている。ペンギンを出現させているのは歯科のおっぱいが大きいお姉さんである。森の奥の球体は大きさが変わる。ペンギンは球体と相互作用があるようだ。
お姉さんとペンギンと球体は何らかの関係がある。話が進むに連れてアオヤマ君は、そのように確信するに至る。
みんな不条理な存在なのだ。やがて災厄の予兆のようなものが現れるが、結末は謎のようでもあり、私のような凡人には理解の範疇を超えたものである。
映画が終わった後、後ろの席で見ていた女の子がお父さんに言っていました。「これは大人の映画?」

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