「ビブリア古書堂の事件手帖」「旅猫リポート」「あいあい傘」2018年11月01日

ビブリア古書堂の事件手帖

鎌倉が舞台の作品。昨年「鎌倉ものがたり」の時と同じ感想なのですが、昔、江ノ島観光に行ったことを思い出させるようなロケーションでありました。夏目漱石と太宰治の小説が題材になっています。

夏休みの課題図書として「人間失格」は高校二年で読んだのですがピンと来ず、それでも太宰治は二十才を超えた頃から短編を読みだしてハマり、文庫で出ているほとんどの作品は買ったものです。夏目漱石は「坊ちゃん」と「こころ」「三四郎」だけ読んだかな。主人公の母親が「それから」は松田優作の映画を見たというセリフがありましたが、私も見ましたよ。本は読んでないけどね。

文学(小説)が好きな人なら共感できる部分のある映画なのかな。最後の方は納得できない部分もありましたがね。


旅猫リポート

猫好きな青年が、ある事情を抱え、飼い猫を手放さなくてはならなくなり、新しい飼い主を求めて車で旅をするという話。猫の声が日本語のナレーションで流れてくるので、猫の心がよくわかる。猫の声の出演は高畑充希である。この映画から猫の声を全部カットしてしまったら、どうなっただろうか。全く別の作品になっていただろうが、そのぶん静かになって青年の孤独が浮き彫りになり、より情緒が増してよかったのではなかろうか。


あいあい傘

家族を捨てた父親を探して田舎町を訪れる三十歳になった娘の話。

神社と、石段を降りた麓にあるお茶屋が主な舞台になっている。生き別れになった父親には内縁の妻と娘がいて、それぞれがお茶屋の女将あり神社の巫女である。夫妻を慕ってテキ屋の若い男女がお茶屋を頻繁に訪れている。

過去に家族を捨てた理由はそれなりにあるのだが、当然ながら娘は真相を知るはずもなく、たとえ知ったところで失った二十数年間の時間はどうにもならない。喜劇タッチの演出でことの深刻さが薄められているので、何やら気楽に見ていられる。私は関西生まれなので、悲しみも笑いに変えて表現するような昔の松竹新喜劇を少しだけ思い出しました。


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