サスペリア2019年02月05日

オリジナル版は昔、姫路駅デパートの名画座で見た記憶がある。テレビCMの「決して一人では見ないでください」というナレーションが有名だった。内容はほとんど覚えていない。寄宿舎(女子寮?)のようなところで、若い女が次々に惨殺されるショッキング場面が話題だったように思う。音楽(ゴブリンのサスペリアのテーマ)の方が記憶の中に刷り込まれていて、今でもその旋律を口ずさめるほどである。
舞台がベルリンであること、女性ばかりの舞踏団に入門した主人公のまわりで連続して失踪事件が起こること、魔女がテーマになっていること、などはオリジナルと変わらないらしい。しかし上映時間が二時間半と、一時間近く長くなっている。心理学者みたいな人が出て来たりテロ事件が描かれていたり、内容が分厚くなった。
前作より派手な演出が抑えられ画面のトーンも暗く、よくあるホラー映画を期待して見に行くと地味に感じて拍子抜けしてしまうかもしれない。前半部分は怪奇現象も少なく、統一前の西ドイツの世情なども丁寧に表現していて、怪談というよりは猟奇的な犯罪を扱っているかのような印象を受けてしまった。
東西分裂前のドイツで妻と生き別れになった心理学者の過去が重要な出来事として扱われていて、学者はもう一人の主人公と言っていいほどの存在だった。
この映画はリメイクであると同時に今度の監督の新しい創造も加味した再構築版だと思いました。
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