男はつらいよ 知床慕情(4Kデジタル修復版)2020年07月08日

寅さん七本目。昭和六十二年の製作で、第38作目。先日の「相合い傘」が昭和五十年製作の第15作目、初期から比べるとかなり後期の作品であるといえよう。三船敏郎が出演していて、主演の渥美清と並んで二大スターの共演である。W主演と言っても良さそうな内容だと思った。ポスターやチラシの画像を見ても二人の姿が同じ大きさで印刷されていて、マドンナの竹下景子は小さく扱われている。北海道の知床が主な舞台になっていて、今作に関しては東京の葛飾柴又の出番は比較的少ないような印象を持った。
結婚に失敗した娘さん、スナックのママさん、大事な人達と上手に話すことができない獣医の三船さんに優しく接して、潤滑油のごとく仲をとりもつ寅さんの姿が粋である。
昔の映画を見ているとよくあることだが、このシリーズには一貫してエンドロールがない。
ラストシーンで「終」の文字が出てそのまんま幕である。最後の場面の映像が脳裏により強く印象付けられるように思う。「スター.ウォーズ」みたいにエンドロールと音楽がラストシーンとして成立している映画は別として、映画の終わりとして、エンドロールなど無い方が良い場合もあるのかもしれない、そう思った。
寅さんがいたら、他の映画なんていらない、そう感じている令和二年の夏である。
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