男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(4Kデジタル修復版)2020年07月19日

寅さん十本目。
「忘れな草」「相合い傘」の浅丘ルリ子が三たびの登場である。今回は病気で倒れたリリーからとらやに速達が届くという話なのだ。その中には「寅さんに会いたい」という文言があるのだった。手紙は沖縄の病院から送られたもので、慌ててリリーの元へ駆けつけようとする寅さんにとらやの人々は翌朝の飛行機の切符を手配して、羽田空港へ送り届けるのであった。飛行機が怖くて乗りたくないと駄々をこねる場面がこの映画の一つの見所だった。
夏の沖縄で寅さんとリリーが民家を借りて一緒に生活をする。病み上がりのリリーを優しくいたわる寅さんの姿が民家の人々とともに沖縄民謡の調べに乗せて描かれる。とても幸せな時間である。
自由人の寅さんは暑い沖縄で少しでも涼しい場所を求めて地元の水族館を訪れる。そこでイルカを調教している若いお姐ちゃんを気に入って、毎日のように通うようになる。当然の事ながら、リリーは面白くない。やがて喧嘩が始まって沖縄での生活は破綻するのだった。
妹のさくらが思っているほどに、寅さんは心の中の深いところで結婚を望んでいない。周りの家族が歯がゆいと感じているのはわかっているに違いない。女は好きだが、所帯はもてない。
モテないのである。
ラストシーンが痛快で、この映画がシリーズ中、人気作であることがよくわかった。

男はつらいよ 寅次郎紅の花(4Kデジタル修復版)2020年07月19日

寅さん十一本目。通算四十八作目で最後の作品。
これまで見て来たシリーズとはだいぶん趣が変わった。寅さんの出演場面が減少し、甥の満男がもう一人の主役として登場している。とらやの屋号がいつのまにかくるまやに変わっている。若い店員(男女二人)を雇っていて、さくらは若奥さんと呼ばれている。とらや(くるまや)の人々が随分年を取ってしまっている。先日に見た三十八作目「知床慕情」の時にはあまり思わなかったが、数えて七年半ほど後にすぎないのだけど、役者さんたちの年齢がすすみにすすんだ印象を強く感じてしまい、少しばかり寂しい気持ちにさせられてしまった。まるで立派な若者になった満男が成長する過程で家族たちから生気と活力を吸い取りまくったかのようだ。
二十七年分の映画を、このひと月半ほどの間に見ているのだから、人が一気に年をとるのも当たり前といえば当たり前なのだ。

自分の結婚式をぶち壊した満男に会おうとくるまや(とらや)を訪れ、博にその行方を聞き出す泉。携帯電話のない時代、人と会うのには脚を使って行動しなければならなかったのだ。彼女は船に乗って南国の奄美大島までやってくる。
別に男女間の恋愛ごとに限らないけれど、あまり遠くない過去にはパソコンもスマホもなかった。なかったことで、それがどんなだったかを私は知っている、それはいいことだ。

渥美清さんは座っている場面が多く途中で横になってしまうような映像もあり、かなり体調が悪かったのだろうかと思ってしまった。表情も幾分険しいような気がした。
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