男はつらいよ 寅次郎真実一路(4Kデジタル修復版)2020年09月30日

寅さん二十八本目。第三十四作、昭和五十九年の公開。
金がないのに上野で飲んでいる寅さん、無銭飲食でブタ箱行きを覚悟で開き直っていたところ、隣で飲んでいたサラリーマンが助け舟を出し、粋な振る舞いで伝票を持って去っていきます。一宿一飯の恩義とでも言うのでしょうか、寅さんはこの手の情けには非常に義理堅い一面を持っています。翌日、礼をしようと、もらった名刺を頼りにサラリーマン氏(富永課長)の会社を訪ねます。彼は大手証券会社の課長さんだったのだ。都心の近代的なオフィス街が舞台になることはシリーズ中で初めてではなかろうかと思います。証券会社のビル内では場違いな寅さんを課長は優しく個室にまで案内し「ここで待っていてください」と。「時間はいくらでもあるよ」とソファーで寝てしまう寅さん。夜になり仕事が終わった課長とともにまた飲み屋に繰り出すのでした。酒を飲んで語り合い、さらに意気投合した二人は酔っ払ったまま電車に乗って牛久沼の近くにある課長さんの自宅まで帰って行くのです。翌朝、目覚めた寅さん「ここはどこだ?」寝ていた部屋を出てリビングに行くと美人が朝の支度をしていました。「あの大変失礼ですけどもそちらはどこのどなたでしょう?」「夕べ主人と酔っ払っていらしたでしょう」美人は課長さんの奥さん(大原麗子)でした。
この後、課長さんは失踪します。過労による心身の疲労が原因だと思われます。
後半はいなくなった課長さんを探すため奥さん(富永ふじ子)と一緒に鹿児島を旅します。そこは課長の生まれ故郷だったのです。タクシーに乗って聞かされていた思い出の場所をたどって行く寅さんと奥さん。どうやら鹿児島に帰っているらしい痕跡はあるもののどうしても会うことができないのだった。行き詰まり、目の前にある桜島を見ながら立ち尽くす二人。「もう帰りましょう、、、」奥さんは言う。
奥さんに惚れてしまった寅さんは心のどこかで富永課長が帰らないことを願ってしまい「俺は醜い」と寝込んでしまうのだった。

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