男はつらいよ 寅次郎物語(4Kデジタル修復版)2020年10月25日

寅さん三十二本目。第三十九作、昭和六十二年の公開。
冒頭場面、満男が高校生で、母親のさくらよりも長身になっています。その成長とともに映画の中での存在感も大きくなってきて、劇中「人間はなんで生きているのかな」などと寅さんに向かって難しいことを聞いてくるようになります。

寅さんのテキ屋仲間の息子が寅さんに会いにとらやを訪ねてきます。「般若のマサ」と呼ばれた少年の父親は「自分にもしものことがあったら寅を頼っていけ」と言い残し、死んだという。とらやの人々が困っているところに、寅さんが帰ってきます。極道者の亭主にいたぶられた女房はとっくの昔に蒸発しておりまして、行方が知れません。少年の名付け親は実は寅さんであります。今回は(天下を取る男)秀吉少年の母親探しの旅なのです。
大阪(天王寺)和歌山(新和歌浦)奈良(吉野)三重(志摩)と、寅さんと少年が、紀伊半島を辿っていくロードムービーになっています。途中、吉野で秀吉が高熱を出して寝込み、たまたま旅館の隣の部屋に泊まっていた高井隆子さん(秋吉久美子)が看護を手伝ってくれるのです。秀吉と寅さんが親子だと思っている高井さんは寅さんを「おとうさん」と呼びます。夜中に無理やり連れてこられた医者は二人を夫婦だと思って高井さんを「おかあさん」と呼びます。ドタバタのあげく、寅さんと高井さんはお互いを「とうさん」「かあさん」と呼び合うようになるのです。
この作品のマドンナは高井さん(秋吉久美子)なのですが、出番はほぼ奈良(吉野)のパートだけです。要するに旅の途中で少し心の情けを交わした女性に過ぎないのです。故に吉野で出会い吉野で別れました。
秀吉は伊勢志摩で母親に会うことができます。波止場で寅さんと別れる場面は西部劇の「シェーン」みたいで、切なく泣かせます。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://zuihituyarou.asablo.jp/blog/2020/10/25/9311340/tb

アクセスカウンター

ジオターゲティング