ウエスト.サイド.ストーリー2022年03月02日

ナタリー.ウッドが出ていた昔の映画は中学生の頃テレビで見ました。年末年始の特別枠だったと思います。しかし私の中では13年前に京都劇場で見た劇団四季の劇場公演がより記憶に残っています。
この作品は舞台でのミュージカルが本来の姿なのかなと思います。日本人による日本語の台詞、歌詞での舞台であるが故に、よりわかりやすくて良かった。あんまりにも良かったから後日、もう一度観劇に行ったくらいである。
細かい部分は覚えていないが、スピルバーグ監督は場面も音楽もあまり手は加えずに舞台版を忠実に映像化しているのではないかと思います。俳優たちも演奏者たちも原曲を原曲通りに正しく歌いかつ奏でていると感じました。上映時間を考えても同じことが言えるでしょう。
見た人ならばわかることですが、登場人物はかなり愚かな若者たちで、あまりにも愚かな行動をし、行き着く先には悲劇が待っています。おそらく音楽は好きでも、話は好きになれない人も一定数いらっしゃるのではなかろうか。「お前ら、なんでそうなるねん」って感じです。

清潔で豊かな夢のある都会で暮らしたい女たちと、そんな都会の暮らしに疲れを感じ故郷の国を夢見る男たち、、、。(by アメリカ)

ゴーストバスターズ.アフターライフ2022年03月03日

全編において、1984年の「ゴーストバスターズ」への愛情を感じる作品です。2020年代において
学校の先生が、子供たちの教材にブラウン管のテレビでVHSのビデオを使って40年近く前の映画を見せています。劇中に登場する新兵器(正しくは旧兵器)は1984年に使われていた自動車とプロトンパック(webで名前を調べました)幽霊検索機で、傷だらけのボロボロな外観に愛おしさを感じます。もちろん、私はリアルタイムで古い昔の「ゴーストバスターズ」を見た人間なので、そのように感じるわけであります。映画館の中には二十代とおぼしき若い観客もいらっしゃいましたが、彼らがどのような感想を抱いたのかは、わかりません。
ラストシーンで、レイ.パーカー.ジュニアが歌う例の主題歌が出てきます。感涙です。
アメリカは広い。今作はニューヨークではなく、田舎が舞台となっていますが、アメリカの田舎は
ケタが違う。まるで宇宙船で火星に着陸したかのような風景が広がっているのだ。
日本だと北海道の原野か、本土から遠く離れた離島まで行かないと、、、
シガーニー.ウィーバーはこの映画でヒロインだったんだよなぁ。

ザ.バットマン2022年03月18日

ヒーロー物というよりはシリアスなサスペンス映画を見ているような気持ちにさせられる。犯罪者がサイコパスだという設定はよくありますが、ここで最もサイコ的なのは主人公のブルース.ウェインであるように思った。コスプレが変質的なまでに細部に至るまで磨き上げられているのは彼だけである。大金持ちであるが故に可能なのだ。これに比べたらリドラーなんて普通に顔を隠しているだけである。ペンギンなどは完全に素顔であり服装も普通で、キャットウーマンにも似たようなことが言える。ゴッサムシティの市長選の最中、再選を狙う現市長が殺され、現場には暗号のようなメッセージが残されている。根底にあるのは警察や検事をも巻き込んだ汚職事件であり、リドラーに連続して殺されるのは関係者たちなのだ。最終的な標的は「バットマン」らしいのだが、その真意はなんなのか。
本当に暗い映画である。映像といい話といい、暗くて、暗く、暗く、暗く、暗い。
ソーシャルメディアを駆使して謎かけを行う劇場型の犯罪者とどう戦うのか。実態が見えない敵との攻防が現代的なのだろう。
ノーラン監督のシリーズは、まだヒーロー映画の体裁が整っていたと思うが、この作品は違う。(私の感想です)

余命10年2022年03月21日

これも小松菜奈のファンなので見に行った作品。難病のため自分が長く生きられないことを知っている若い女の話。なんの変化球もない直球ど真ん中の恋愛映画である。若い人が大半だったけど、中高年も含めてちゃんと観客が入っていた。
二十歳で発病し二年間の入院を経て自宅に帰ってきたところから、話が始まります。病気のことがわかっているから、家族たち(父母姉)みんなが心を痛め、苦しんでいます。とりわけ娘のことを心配する両親の表情が切ないですな。高林茉莉(主人公)はまわりのみんなが自分に気を遣っているのを少し息苦しく感じているのか、卒業以来という中学の同窓会に出席することにします。かつて住んでいた三島まで出かけていきます。病気のことを知らないかつての同級生たちとなら、自然に笑い合えると思ったのかもしれない。ここで出会うのが真部和人なのだった。
真部という青年は繊細な心を持った人間のようで、当初のナヨナヨとした振る舞いには見ていて、カツを入れたくなった。ただ、この映画にはハマっていた。
東京で再会した二人は互いに惹かれあい、離れがたい存在になっていく。

バットマンの後だったんで、このような映画は清々しく感じた。

ナイトメア.アリー2022年03月29日

1940年代初期の米国が舞台の映画。冒頭から登場する旅回りの一座がおぞましく妖しすぎる。遊園地やサーカス、お化け屋敷やら観覧車、芸人たちなどは、現代ならば万人向けのカワイイ風情のモノしか受け入れられないだろうが、どうやら昔は違ったらしい。本気で恐ろしくてグロテスクで異形なモノに人々は群がって金を払っている。そこには子供達の姿はなく、紳士淑女しかいない。
獣人、蜘蛛女、ホルマリン漬けになった奇形の胎児、etc、、、。
私が子供の頃、愛読した江戸川乱歩が好みそうな世界が映像になって描かれている。
読心術の興行師として観客を集めるようになった男がペテン師に変容し、自分自身を含め、周辺全てを暗く救いようのない悪夢の世界へと誘ってゆく。
まったくハッピーではない映画である。暗澹たる映像と物語を見るために存在する。そのコクを味わってください。そんな経験が楽しめる人には、いいです。
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