室井慎次 敗れざる者 生き続ける者 ― 2024年11月21日


「踊る大捜査線」のスピンアウト作品。警官を辞めて、故郷に帰った室井元管理官の物語。
秋田県の話だというので見に行く気持ちなった映画です。
前後編をハシゴしました。四時間の映画を見てきました。
山の中の、池のほとりにあるポツンと一軒家。単車に乗って訪ねてきた制服警官が玄関で声をあげるが誰も出てこない。鍵はかかっていず、訝しく思い、外に出てあたりを見回すと、道の反対側にある畑の中に人影が。土いじりをしている室井慎次である。その若い警察官は新任の挨拶に来ましたとハリのある声で話しかけるのだった。退職した警視庁の元官僚だということを知っていて、お近づきになりたいという気持ちをまったく隠そうとしない。
埋められた死体が出てきて、過去に東京で起きた事件に関連していたため、警視庁が介入し、室井自身も関わった件であるが故に、県警からも協力を要請されることになる。
事件は発生するけれども、この話の中心は里親として二人の少年を引き取り、秋田の民家で暮らしている室井慎次の生き様であります。血が繋がらない、子供たちも彼のことを「室井さん」と呼び、親ではなく、業者から託された保護者に過ぎないことを理解している、そんな関係の三人です。
ある日、女の子が割り込んできます。悪意をもっています、面倒臭い女です。室井は受け止めます。
地方特有の村社会、事情があって親と暮らせなくなった子供達、そんなこと話してる暇があったら、死体の身元特定や特殊詐欺事件の捜査の方に時間をかけろ、話の本題を警視庁にもってこいと、そっち方面を期待している人にはまったく楽しめない映画です。
警察組織の中で成し遂げようとした仕事が果たせず、敗れ去って定年を前に退職した男が、故郷で小さな家族を作ろうとした、そんな話だったと私は理解しました。
雨の中の慾情 ― 2024年11月29日
屋根の上にあった自転車に雷が落ち、燃え出すバス停。逃げ出した女は田んぼの中で転んでしまい、追いついた男はパンツにも化学繊維があると言い出して脱がせてしまう、、、
と、題名どおりに展開する冒頭がいちばん良かった。戦争が背景にありますので昭和十年代の話だと推察されます。舞台となっているのは台湾で、日本ではありません。主役の漫画家目線で話が進行します。現実と妄想が入り混じったやや複雑な構成でした。
原作になったつげ義春さんの漫画は読んだことがないので、どのくらいの部分が映画に反映されているのかはわかりませんでした。





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