8 1/22022年10月14日

高校生の時、ボブ.フォッシーの「オール.ザット.ジャズ」を見て、なんという凄い映画だ、こんな発想をした作者は天才だ、と感動していたら、雑誌の論評で(たしか淀川長治さんだった)こりゃ完全にフェリーニの「8 1/2」だね、と書かれているのを読んで、何やら高揚した気持ちが削がれてしまったのを覚えている。
あれから四十年以上が経過して、映画界の大御所からネタ元だと言われた本作を鑑賞する機会が訪れたのだった。本日、映画館に行ってきました。
現実と夢が交差するという展開は予想していましたが、そもそも夢と現実の境界線が曖昧で、よくわからない。スランプの映画監督が温泉に湯治に来ているという事実は理解できるのですが、多くの登場人物が乗り込んできて、とても療養しているようには思えない。地方のリゾートホテルで大勢の金持ちが享楽的な宴を繰り広げているかのような印象である。それともこれは夢か妄想なのだろうか。そんな調子で抽象的な映像が延々と2時間20分続くわけです。「オール.ザット.ジャズ」は、まだわかりやすかった。
評価の高い作品ですが、楽しめるかどうかは別の話ですな。
あと脳みそが疲れているときには鑑賞するべきではありません。
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