男はつらいよ 寅次郎紙風船(4Kデジタル修復版)2020年09月06日

寅さん二十三本目。第二十八作、昭和五十六年の公開。
冒頭、満男にお土産を買って来た寅さん、それは紙風船である。コンピューターゲームで遊んでいる満男は当然ながら見向きもしない。喜ぶと思っていたのか、気を落とす寅さんを慰めようと、とらやの人たちは小学校の同窓会の案内状を見せ「いって来たらいいじゃないか」と勧めるのだった。いじめられた過去があり、今でも恨みに思っている同級生たちは寅さんを毛嫌いしている。どうせ来ないだろうと言っているところに登場する寅さん。その後、嫌な展開が待っていた。とても苦味のある最初のエピソードの後、また旅に出ることになる。
旅先の旅館で女将さんから相部屋を頼まれた寅さん、相手は若い女だという。こっちの人相風体をわかっているのかと聞くと承知の上とのこと。部屋に上がって来たのは二十歳くらいの家出娘、愛子(岸本加世子)である。ありえないような展開かもしれませんが、そこに疑問を挟むとこの映画が成立しない。話すうちに寅さんを気に入った愛子はその後もまとわりついてくるようになる。
神社の境内で愛子と一緒に売をしていると、向かいの露店の女が差し入れを持ってやって来た。女は寅さんのテキ屋仲間カラスの常三郎の女房(光枝)だったのだ。常が重病で臥せっていることを聞いた寅さんは見舞いのために秋月のあばら家を訪れる。
寝床で「俺に何かあったら光枝を嫁にしてくれ」と口にする常、小川の土手で別れ際に「亭主はもう長くないの」と打ち明ける光枝。寅さんは常の言葉を鵜呑みにしたわけではなく、重病人に対する気遣いもあってわかったよと言っただけなのだ。しかし実際に常が死に、光枝が上京して来、本郷の旅館で働くようになると本気で考えるようになる。
寅さんは結婚できない。心の根っこでは結婚したくないというのが私の考察なのですが、あくまでもいちファンの感想であります。陰気な話を救っているのが愛子(岸本加世子)の存在で、最後の場面で再び登場し、映画を締めくくる役を担っています。

この時点でシリーズ開始から十二年目。寅さんも少し年をとりました。この頃から満男役が吉岡秀隆に変わっています。まだ小学生なのかな。当たり前ですが完全に子供です。

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