リング2012年04月27日

中学三年の秋、修学旅行で神戸港からフェリーに乗って九州の小倉まで、旅をした。
午後6時頃の出航で、夜間、瀬戸内海をクルージングして翌朝、目的地に到着するという実にのんびりとした旅である。その後は北九州をバスに乗って、別府、阿蘇、雲仙、と温泉めぐりをして、最後は博多から新幹線で戻って来るという、三泊四日のスケジュールである。

出発の午後、地元の中学校から神戸港までは、バスなのだ。何台かのバスに分乗した修学旅行の一行は、陸路から瀬戸内海を経て九州を目指す。出発から時間が過ぎて、海沿いの国道で、西の方向に傾いた太陽が赤く染まり始めた。そのときが来た。われわれは黒い下敷きを眼にかざしながら、夕日を眺め始めた。偏光板を通してオレンジ色に変わった太陽は三日月の形をしていた。この日は部分日食だったのだ。

私は、あれから日食を見ていない。だが、信頼できる情報によると、今年の5月21日は金環食だという。太陽がリング状になるという、極めて恐れ多い現象だ。これは是非とも見たい。しかし時間が問題だ。平日の午前7時30分。その時間にはたして太陽の見える位置に立てるであろうか?
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