おはらい町おかげ横丁2021年01月09日

午後四時少し前、祈祷が終わり宇治橋を渡って鳥居を潜り内宮の外にでた。腹が減った。おはらい町で何か食べよう。そこは江戸から明治にかけての町並みが再現された通りの通称で、五十鈴川にそって黒っぽい木造の建物が立ち並んでいる。驚いたことに午後四時で閉店する店がある。大半が神宮からの観光客だろうから、仕舞うのも早いのだ。これは急いだほうがいいのかもしれない。店を探そう。私が気になったのは伊勢うどんと松坂牛の店だった。三大和牛と言われている松坂牛は是非とも食べてみたいけれど、値段が高いからパス。ここはうどんかなと思いながら何件かをやり過ごしていくうち、おかげ横丁と呼ばれる一角にたどり着いた。おはらい町の通りにある横丁に土産物や料理屋が集まっている。気になったのがとんかつの店「もくとん」目を引いたのはとんかつではなく、豚かば丼なるメニューである。吉野家の豚丼はよく食うが、ここのヤツは肉が茶色で丼からはみ出すほどに盛ってあり、真ん中にネギが置いてある。キャベツと味噌汁が付いて千円。吉野家の約三倍の値段である。これに決めた。中に入ると、お姐ちゃんにお好きな席にどうぞと言われた。テーブルとカウンターがあり私はカウンター席に座った。店内は空いていてカウンター席には私一人だった。調理に時間がかかるのだろう、注文してから豚かば丼が提供されるまで随分待たされた。その間に前菜のキャベツを一皿全部食べてしまった。おかわりは自由だというので、丼と味噌汁が来た時にもう一皿おかわりをした。料理も待つだけのことはあった。お好みで山椒をかけてもいいそうだ。うまかった。食べ終えて通りに出ると午後五時になった。あたりは薄暗い。そしてほとんどの店が閉店時間を迎えていた。人通りは減って道の中に自動車が入ってくるようになる。思った以上に日暮れが早く、帰りのバスに乗る頃にはすっかり暗くなってしまった。仕方がないので月読宮への参拝はあきらめた。特急電車に乗るには五十鈴川駅よりも隣の宇治山田駅の方が便利だと運転手がいうので、そうした。
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