海の沈黙 ― 2024年12月04日

田村安奈という名の熟年女性が占い師だろうか、年配の男と話している。現在の家庭環境や心の内を鋭く指摘され、胸の中の深いところに埋めてしまっている思いにまで、質問を投げかけてくる。それなりに長生きをしている女ゆえ、笑って会話をかわす術を持っており、それ以上は話が進まない。
映画として無駄な伏線はないだろうから、おおむねこの指摘が当たっているのだろう、と見ている側としては理解するのだ。
以前、知り合いの一人が占い師のところに行っていろいろ話を聞いてきた、ということがありました。後から考えるに、その占い師が言ったことは当たっていません。それでも金を払ってまでも自分のことを知りたいと考える人は大勢いて、だからこそ易者という職業が成り立っているのであります。
有名な画家の贋作事件が発生し、その絵を描いたと思われる男の存在が浮かび上がる。海外の警察も捜査に来日しており、国際的な事件に発展しそうな気配を帯びてくる。贋作の画家は田村さんのかつての恋人であった。北海道で昔の恋人同士は再会するが、画家にとっては田村さんとの恋愛は過去のことで、今更、会っても会えなくてもどちらでも良かったんでしょう。お互いに冷めてはいるが、消えない炭火のように心の中に燃えかすが残っていて、団扇で煽ぐとかすかに赤い火が灯る、そんな感じでしょうか。
天才画家が誰にも知られることがないまま、多くの絵を残して、消えてゆく、と、そのような展開を期待していました。
映画として無駄な伏線はないだろうから、おおむねこの指摘が当たっているのだろう、と見ている側としては理解するのだ。
以前、知り合いの一人が占い師のところに行っていろいろ話を聞いてきた、ということがありました。後から考えるに、その占い師が言ったことは当たっていません。それでも金を払ってまでも自分のことを知りたいと考える人は大勢いて、だからこそ易者という職業が成り立っているのであります。
有名な画家の贋作事件が発生し、その絵を描いたと思われる男の存在が浮かび上がる。海外の警察も捜査に来日しており、国際的な事件に発展しそうな気配を帯びてくる。贋作の画家は田村さんのかつての恋人であった。北海道で昔の恋人同士は再会するが、画家にとっては田村さんとの恋愛は過去のことで、今更、会っても会えなくてもどちらでも良かったんでしょう。お互いに冷めてはいるが、消えない炭火のように心の中に燃えかすが残っていて、団扇で煽ぐとかすかに赤い火が灯る、そんな感じでしょうか。
天才画家が誰にも知られることがないまま、多くの絵を残して、消えてゆく、と、そのような展開を期待していました。
ミ、 ― 2024年12月06日
ミポリン、、、
ラブ.アクチュアリー ― 2024年12月11日

4Kデジタルリマスターを見てきました。初見です。20周年ということなので、2004年の公開だったんですね。英国ロンドン十二月、クリスマスシーズンの群像劇で、とにかく登場人物が多いです。
多くの人の恋愛模様が細切れのように散りばめられていて、しかも相互関係がまるでないという話であります。冬の季節感を味わいながら軽い気持ちで見るのが一番いいのでしょう。先日、ビデオ録画で三谷幸喜監督のTHE 有頂天ホテルも鑑賞しましたが、この手の映画で一番好きなのはスピルバーグ監督の1941だといえよう。
多くの人の恋愛模様が細切れのように散りばめられていて、しかも相互関係がまるでないという話であります。冬の季節感を味わいながら軽い気持ちで見るのが一番いいのでしょう。先日、ビデオ録画で三谷幸喜監督のTHE 有頂天ホテルも鑑賞しましたが、この手の映画で一番好きなのはスピルバーグ監督の1941だといえよう。
一人すき焼き ― 2024年12月14日
先週、突如、悪寒に見舞われ、体調不良に苦しんだ。風邪である。取置きのロキソニンとトロキシピドが一週間分あったので、使った。メキタジンとコデインリン酸も数回分、残っていた。バイト、休めないので、仕事先にまで薬を持ち込んで、昼飯のあともC1000ビタミンレモンで流し込み、踏ん張った。
朝昼晩、一日三回、きっちり飲んだから、瞬く間に在庫がなくなってしまった。熱には効いたと思う。
本来、整形外科で腰痛用に処方してもらった薬だったけど、役に立って良かったと言えよう。
スーパーマーケットで牛肉、卵、長ねぎ、しらたき、えのきだけ、鍋用のたれ、ビール、缶チューハイを買ってきた。台所で具材を開け、まな板で長ねぎとえのきを切った。冷蔵庫から豆腐も出してきた。居間に行き、ちゃぶ台の上にカセットコンロを置き、すき焼き用鍋を乗せて火をつけた。温まってきたところで牛脂を入れるとすぐに溶けて鍋の底に広がった。肉を入れると脂が弾ける音がして、表面の赤い色が変わっていく。たれの容器に書いてある通り、まずはきざんだ長ねぎを入れて肉と一緒に炒めることにする。火が通ったら他の食材とたれを投入し、熱くなったところでお椀に卵を割って箸で溶き、あとは食べるだけである。
冷えたビールをコップに注いで、乾杯だ。
風邪は完治せず、まだ咳と鼻水が残っているが、すき焼きはうまい。
朝昼晩、一日三回、きっちり飲んだから、瞬く間に在庫がなくなってしまった。熱には効いたと思う。
本来、整形外科で腰痛用に処方してもらった薬だったけど、役に立って良かったと言えよう。
スーパーマーケットで牛肉、卵、長ねぎ、しらたき、えのきだけ、鍋用のたれ、ビール、缶チューハイを買ってきた。台所で具材を開け、まな板で長ねぎとえのきを切った。冷蔵庫から豆腐も出してきた。居間に行き、ちゃぶ台の上にカセットコンロを置き、すき焼き用鍋を乗せて火をつけた。温まってきたところで牛脂を入れるとすぐに溶けて鍋の底に広がった。肉を入れると脂が弾ける音がして、表面の赤い色が変わっていく。たれの容器に書いてある通り、まずはきざんだ長ねぎを入れて肉と一緒に炒めることにする。火が通ったら他の食材とたれを投入し、熱くなったところでお椀に卵を割って箸で溶き、あとは食べるだけである。
冷えたビールをコップに注いで、乾杯だ。
風邪は完治せず、まだ咳と鼻水が残っているが、すき焼きはうまい。
正体 ― 2024年12月23日

脱獄した死刑囚の逃亡劇。最初のほう、大阪の工事現場で住み込みをしながら働いているあたりは、潜伏生活の緊張感がよく出ていて見応えがあった。逃亡を繰り返しながら居住地を変え、日本各地を転々とするわけなのですが、冒頭部分のリアリズムと張りつめた空気感を持続させるのは難しかったようです。
横浜流星さんは若く二枚目で優しげな佇まいをしているため、人から好かれるというのは、なるほどと思わせるものがありますね。
逃亡者と関わる人々の中で森本慎太郎さんはあまり気にならなかったのですが、吉岡里帆さんと山田杏奈さんの出演場面は、横浜さんと絡んでいる部分のみに絞った方がサスペンス感が盛り上がったような気がします。ハードボイルド風に逃亡者の一人称目線でドキュメント仕立てにして欲しかったです。私の好みの問題ではありますが。ただ、山田孝之さんに関してはもっと見せ場を用意してもらって、追跡者と逃亡者の息詰まるような緊張と恐怖感を味わってみたかった。
横浜流星さんは若く二枚目で優しげな佇まいをしているため、人から好かれるというのは、なるほどと思わせるものがありますね。
逃亡者と関わる人々の中で森本慎太郎さんはあまり気にならなかったのですが、吉岡里帆さんと山田杏奈さんの出演場面は、横浜さんと絡んでいる部分のみに絞った方がサスペンス感が盛り上がったような気がします。ハードボイルド風に逃亡者の一人称目線でドキュメント仕立てにして欲しかったです。私の好みの問題ではありますが。ただ、山田孝之さんに関してはもっと見せ場を用意してもらって、追跡者と逃亡者の息詰まるような緊張と恐怖感を味わってみたかった。
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