雪の花 -ともに在りて - ― 2025年02月09日

疱瘡(天然痘)の治療に人生を賭けた福井藩漢方医笠原良策の話。床に伏し病気に苦しむ患者になす術がなく、健康な人を守るために彼らを山奥の施設に隔離するしか出来ることがない。医者としての無力感に悩みながらも絶望はせず、治療法を見つけるために京へ行き蘭方(西洋医学)を学ぶ。のぞみは人を助ける事それだけである。ある日文献から人に牛痘の苗を植え付ける種痘という方法を発見するが海外から取り寄せる必要がある。出来ぬのだと、絶望する師匠の言葉を聞いても、それならば藩主に上訴し鎖国政策をとる幕府を動かそうと考える。笠原さんは江戸時代の福井藩の町医者ですよ。ものすごい意思の強さと行動力に感動した。動かない役人、根拠のない噂、妨害、新しい治療法に不安を煽られて拒む市井の人々、困難が次から次へと襲ってくるのだ。心が綺麗な人が真っ直ぐに突き進み、邪魔をする俗人は駆逐され、のぞみは叶えられる。実話だという御伽噺のような美しい物語が日本の風景とともに。
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