妖星ゴラス2025年01月13日

地球に衝突する流れ星を阻止する映画といえばメテオやディープ.インパクト、アルマゲドンを思い出します。これはもっと古くて、昭和37年の東宝特撮映画です。さらば宇宙戦艦ヤマトにおける白色彗星のアイデアは妖星ゴラスから来ているのではないでしょうか。星や宇宙船が飲み込まれる映像を見てそのように感じました。冒頭部、日本の土星探索船隼号が、地球からの要請により進路を変更、太陽系に接近する黒色矮星ゴラスに向かう。予定の航路をはるかに逸脱し燃料不足の上、ゴラスの引力に脱出不可能となる中、その観測情報を最後の瞬間まで収集し、地球に送った後、クルー全員が死を悟り、万歳と叫びながら消えてゆく。
ハードな展開ながら、画面に登場する当時の日本は高度経済成長真っ只中で、その勢いを映像の中からも感じることが出来ます。社会全体の雰囲気が現在のように陰気ではなく、突き上げるようなエネルギーがあるのです。超高層ビルが全くなくて東京タワーだけが平地の中で一本杉みたいに高く高くそびえたっている、そんな時代の映像です。テレビや電話ですら置いていない家庭がまだまだ多かっただろうと想像します。
後半は全世界が協力して南極に巨大ロケットを建築し、地球移動計画を推進決行するという展開になります。ミサイルを発射してゴラスを攻撃するという話にならないところが新鮮でした(作品自体は古いと言っていい)。南極に怪獣が出てきますが、これは会社側の要求だったそうで、当初は入っておらず、監督も嫌だったとか。
ちなみに映画の中の時代設定は昭和54-57年となっています。

ウルトラマンのイデ隊員、ゴジラの山根博士、おヒマなら来てよねの中山美穂のおっ母さん、白い巨塔の鵜飼教授、七曲署の署長、などの俳優さんたちが出演しています。

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