サムライ ― 2026年05月02日

ひさしぶりにウメキタへ行った。スカイビルに向かう途中にあった薄暗い地下道がなくなっていて地上の道を通るようになっていた。カタカナ文字が並んだ不動産屋の広告のような景色で、緑地帯を右側に見ながら新しくなったピカピカの歩道を歩いた。外国人観光客でいっぱいである。ガラス張りの高層ビルが西と東にそびえ立ち頂上が展望台で連結されている。外壁に周りの景色が写りこみ地上四十階の巨大な鏡のような建築物なのだ。キンキラリンである。ここの三階に映画館がある。十年以上前はよくきていたが最近は足が遠のいている。

アランドロン、サムライ。1967年の仏映画。
鳥籠以外は何もないような灰色の部屋で男がひとり、ベッドに寝転んでタバコを吸っている。おそろしく殺風景な光景だが、監督の方針なのだろう。すべての画面で猥雑なものが映り込まない。暗く絵画のように洗練された映像が続いてゆく。話も端的で、殺し屋が殺しの現場をピアニストの女に目撃されるという失敗から始まって、それがきっかけで警察に目をつけらて追跡されるようになってしまう。プロがしくじると代償は重い。自身の美学に生きる男は辛いのだ。サムライという題名の由来だろう。

ウォルター.ヒルのザ.ドライバーに影響を与えたという記事を見たので、家に帰ってからビデオを確認してみたらなるほどその通りだった。警察に捕まった後の目撃者たちとの面通しの場面など、そのまんまだった。

下北山村 ― 2026年05月11日

午前二時起床、自動車道を経て長い山道に突入し延々と続く坂道を登って約三時間、五時過ぎに到着。ボート屋に案内されて桟橋から船に乗ったのは六時頃だった。山中のダム湖、早朝は気温が低く厚着を持ってこなかったことを後悔した。下界では予測できなかった寒さだった。最近の釣果を聞くと上流よりも中流域がいいとのことで、坂本筋と備後筋に分かれる手前の本流域から釣りを始めることにした。一人で来ることが多いわたしだが今日は同行者がいる。いつもよりも大きいボート(30馬力)を借り、朝霧が残る川筋を飛ばしてきた。

午後五時、桟橋に帰着。道具を片付けて村にある温泉施設へ行く。入浴後、一軒しかない店へいき、ビールとつまみを買う。ここは個人商店で棚も冷蔵庫も古くて小さく、私らが子供の頃学校帰りに立ち寄っていた店の佇まいによく似ている。予約していた民宿へ行き車を停めて食堂に入った。セルフで飯のおかわりは自由である。食い終わった後、差し出された宿帳に記入し、宿代を現金で支払った。二人で八畳の部屋に案内され用意された布団を敷いて寝る準備。しばらくすると襖を叩く音がして宿のおばちゃんが明日の弁当を持ってきてくれた。缶ビールを半分くらい飲んだら眠気が襲って来て、そのまんま布団に入ってしまった。

午前四時起床、今日は湖の駐車場でボート屋と待ち合わせ。五月も中旬になると夜明けが早く、もう空が白み始めている。今日は坂本筋から釣りを開始し、昨日は行っていない前鬼筋と白川筋にも船を向けるつもりである。
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