「ムーンライト」「ゴースト.イン.ザ.シェル」 ― 2017年04月14日
ムーンライト
全編を通じて黒人の話だった。米国は人種の坩堝だと思っていたが、この映画の中では先生も生徒も全員が黒人だけのハイスクールが存在している。音と映像が美しく、夜の砂浜で月が輝く場面は幻想的であり、印象に残るものだった。少年期の主人公を父親のように見守る麻薬の売人が自分の思い出を語って聞かせる場面がある。
月の明かりの下で走る黒人の男の子が青く見えるという老婆の言葉である。「ムーンライト」という題名の由来だと思います。この逸話が高校生に成長した中盤に至ったとき、たった一人の友達との出来事につながっていくのです。
その後、青年になった主人公は肉体も精神も見違えるように逞ましくなっているみたいですが、ある日突然かかってきた電話に動揺します。全体を通じて限られた社会の中での出来事を描いているようで、ヤク中の母親が麻薬を買っている相手が、少年の父親がわりの男だったりするのです。舞台となっているのはマイアミだそうですが、ここではリゾート地の印象がほとんどなく、危険な麻薬地帯として描かれています。楽園ばかりではないのですね。
コミュニケーションが苦手な人間はとても生きにくい。世界中どこでも同じである。
ゴースト.イン.ザ.シェル
アニメの「攻殻機動隊」は見ていない。舞台となっている近未来都市は東京なのではないかと思うのだが、いくら空想の世界とはいえ、ある程度のリアリズムをもって作り込んで欲しかった。私には、どこまでも漫画のようにしか見えなかった。あの映像が原作の表現に近いのだろうか。
今、現実の東京を映すだけでも充分に「ブレードランナー」みたいな雰囲気なのだから、ヘンなことはしないで、そのまんまの景色の中で撮影してくれた方が、カッコよかったのではないだろうか。
主演のスカーレット.ヨハンソンさんはグラマーだけど、米国人としては、比較的小柄なのでしょうか。だからこそ、日本アニメの女主人公としては適役だったのかもしれませんね。
ビート.タケシ.キタノさん、一人だけ英語の字幕付きで日本語でしゃべっています。
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