暗黒館の殺人2012年06月06日

雨がふります 雨がふる
遊びにゆきたし 傘(かさ)はなし
紅緒(べにお)の木履(かっこ)も緒(お)が切れた

北原白秋の「雨」

ヴァン.ダインの「僧正殺人事件」みたいな展開で歌詞のとおりに連続殺人事件が発生する。
綾辻行人は「霧越邸殺人事件」から入った。

「霧越」とは別だが、氏の「館シリーズ」は「○●館の殺人」と、名づけられた一連の小説で、本には必ず「館」の見取り図が添付されているのが特徴であり、読者は図面を見ながら、独特の世界観の中で、現代の本格ミステリーを堪能する、という趣向。

十角館の殺人
水車館の殺人
迷路館の殺人
人形舘の殺人
時計館の殺人
黒猫館の殺人

と、十年くらい前に6編までは読んだ。
「暗黒館」は全4巻の超大作で、数年前から存在は知っていたが、長すぎるのがネックとなって、ずっと手にとっていなかった本なのだ。
きっかけがないと、読まないということは、自分が思っているほど好きではない作家、だという事なのだろうか。

「霧越」と「館シリーズ」では、ずいぶん作風が違うが、「暗黒館」では「霧越」の重厚かつ幻想的な雰囲気を期待してみたい。
(続く)
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