ひとよ2019年11月12日

雨の降るタクシー会社の駐車場、家族に暴力をふるう夫を轢き殺した母親。自宅兼事務所に戻った彼女はおにぎりを食べながら傷だらけの三人兄妹に父親を殺害したことを告げ「十五年後に帰ってくる」と言い残し、自首するのであった。

長男、次男、長女、子供達の性格がきっちりと描写されていて、母親や事件に対する向き合い方の違いが見所になっています。現実に十五年が経過したある日、母親は家に帰ってきます。家族、会社の社員、誰も追い出そうとはしません。冷えているようでも、家族親族の繋がりが断ち切れないのは、母親の殺人の動機によるものであります。

同じ犯罪を描いた映画でも、ひたすらに重苦しい「楽園」に比べると、救いがある話でした。


予告編で白石監督の「最高傑作」とか言っていました。本人言かどうかわかりませんが、そんな話はあまりしないほうが賢明です。私は「凪待ち」の方がいいと思いますし。


アクセスカウンター