男はつらいよ 葛飾立志篇(4Kデジタル修復版) ― 2020年08月01日

寅さん十三本目。第十六作、昭和五十年の公開。
冒頭、寅さんのことを実の父親ではないかと柴又までやってくる山形の女子高生。現役アイドル絶頂期の桜田淳子(役名は順子)です。先日に見た「かもめ歌」の伊藤蘭が霞んで消えるほどに可愛く可憐で愛らしい。彼女の母親おゆきさんに昔世話になり恩義を感じた寅さんが毎年手紙とお金を送っていたのだ。そのことで「もしや」と思って修学旅行のついでにとらやに立ち寄ったのだった。このとき、とらやの面々は順子からおゆきさんが去年死んだことを聞く。
後日、山形を訪れた寅さんはおゆきさんの墓参りをするのだ。墓前で地元の和尚からおゆきさんの生前の言葉を聞き、いろいろ辛い思いをし、学がなかったことを後悔していたと知らされる。
後半は「己を知る」こと、学ぶことに目覚め、柴又に帰った寅さんが、大学で考古学の助手をしている礼子さんと知り合い、惚れてしまうという展開です。礼子さんの師匠が田所博士(日本沈没の小林桂樹が同名で演じています)で、今回は寅さんよりも十才年上の博士が恋敵という設定になっています。
独身だという博士の話を聞いて、その身なりから身寄りがなく道路工事の現場で働いている気の毒な人だと勘違いをする寅さん。煙草を吸いながら団子を食べ煙を吐きながらお茶を飲む田所博士。
ラストシーンの富士山がいい。
冒頭、寅さんのことを実の父親ではないかと柴又までやってくる山形の女子高生。現役アイドル絶頂期の桜田淳子(役名は順子)です。先日に見た「かもめ歌」の伊藤蘭が霞んで消えるほどに可愛く可憐で愛らしい。彼女の母親おゆきさんに昔世話になり恩義を感じた寅さんが毎年手紙とお金を送っていたのだ。そのことで「もしや」と思って修学旅行のついでにとらやに立ち寄ったのだった。このとき、とらやの面々は順子からおゆきさんが去年死んだことを聞く。
後日、山形を訪れた寅さんはおゆきさんの墓参りをするのだ。墓前で地元の和尚からおゆきさんの生前の言葉を聞き、いろいろ辛い思いをし、学がなかったことを後悔していたと知らされる。
後半は「己を知る」こと、学ぶことに目覚め、柴又に帰った寅さんが、大学で考古学の助手をしている礼子さんと知り合い、惚れてしまうという展開です。礼子さんの師匠が田所博士(日本沈没の小林桂樹が同名で演じています)で、今回は寅さんよりも十才年上の博士が恋敵という設定になっています。
独身だという博士の話を聞いて、その身なりから身寄りがなく道路工事の現場で働いている気の毒な人だと勘違いをする寅さん。煙草を吸いながら団子を食べ煙を吐きながらお茶を飲む田所博士。
ラストシーンの富士山がいい。
男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(4Kデジタル修復版) ― 2020年08月01日

寅さん十四本目。第十七作、昭和五十一年の公開。
夕焼け小焼けの赤とんぼ負われて見たのはいつの日か
黒っぽい屋根の町屋が並んだ龍野の風景が美しい。「赤とんぼ」を作詞した作家は龍野の出身で劇中、市長の部屋に大きく歌詞が掲げられている。タイトルはここからきているようです。
上野の飲み屋で出会った日本画の大家と龍野の橋の上で再会し、同行を決め込み、市長一行の接待を受ける寅さん。昼は市内観光、夜は宿の座敷で芸者と遊ぶ。龍野には別の目的があって接待が煩わしい画家と、それを身代わりとなって引き受ける寅さん、流れ者の寅さんとウマが合う芸者のぼたん。三者三様で播州の朝昼晩が過ぎてゆく。
柴又に戻った寅さんは事あるごとに「しかし龍野じゃなあ」と自慢話を繰り返し、周りの人をうんざりさせる。そんな時芸者のぼたんがとらやを訪ねてくる。彼女にはどうしても東京まで来なければならない理由があったのだ。
飲み屋で登場した折には小汚いジジイにしか見えない画家の宇野重吉さんが傑作で、転がり込んだとらやを旅館と勘違いしたのか、おばちゃんに「風呂」とか「梅干しにお茶」とか、次々に指図する場面は笑えた。仏頂面で返しながらも「寅の客人だから」と受け入れてしまうとらやの人たちの善人ぶりもいい。揉め事を抱えて上京してきたぼたんのことを本気で心配して味方につくタコ社長、あんたは頼りになる。
シリーズ中の傑作の一つだそうです。私もそう思います。
夕焼け小焼けの赤とんぼ負われて見たのはいつの日か
黒っぽい屋根の町屋が並んだ龍野の風景が美しい。「赤とんぼ」を作詞した作家は龍野の出身で劇中、市長の部屋に大きく歌詞が掲げられている。タイトルはここからきているようです。
上野の飲み屋で出会った日本画の大家と龍野の橋の上で再会し、同行を決め込み、市長一行の接待を受ける寅さん。昼は市内観光、夜は宿の座敷で芸者と遊ぶ。龍野には別の目的があって接待が煩わしい画家と、それを身代わりとなって引き受ける寅さん、流れ者の寅さんとウマが合う芸者のぼたん。三者三様で播州の朝昼晩が過ぎてゆく。
柴又に戻った寅さんは事あるごとに「しかし龍野じゃなあ」と自慢話を繰り返し、周りの人をうんざりさせる。そんな時芸者のぼたんがとらやを訪ねてくる。彼女にはどうしても東京まで来なければならない理由があったのだ。
飲み屋で登場した折には小汚いジジイにしか見えない画家の宇野重吉さんが傑作で、転がり込んだとらやを旅館と勘違いしたのか、おばちゃんに「風呂」とか「梅干しにお茶」とか、次々に指図する場面は笑えた。仏頂面で返しながらも「寅の客人だから」と受け入れてしまうとらやの人たちの善人ぶりもいい。揉め事を抱えて上京してきたぼたんのことを本気で心配して味方につくタコ社長、あんたは頼りになる。
シリーズ中の傑作の一つだそうです。私もそう思います。
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