タクシードライバー2012年11月26日

最初に観たのは高校三年のときで、姫路駅ビルの名画座だった。高三ということは、受験もあって時間に追われていて休日も貴重だし、小遣いにも不自由していた時期で、映画館の入場料やら電車代ですら貴重なのだった。
最近、シネコンはいっぱいあるけれど、街から名画座はことごとく消えうせていて、古い作品に出会える機会はなかなかないのだが、今日、二度目の劇場鑑賞をした。

ニューヨークの夜景とバックに流れる音楽のけだるいサックスの調べが見事に合っていて、実に印象的な映画だった。大統領候補の暗殺を企てる、ベトナム戦争帰りで不眠症のタクシー運転手が主人公。途中でマグナム44、38口径、ワルサー、コルトの四丁拳銃を手に入れるあたりからトラビス(主人公)の行動に観客たちが魅入られるようになり、ラスト、売春宿で爆発する狂気と血飛沫の惨劇にカタルシスを憶えるのである。
「野獣死すべし」のとき、松田優作は絶対この映画を100回以上見て研究していたに違いない(想像です)
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