シン.ゴジラ2016年07月30日

今度のゴジラ映画は、新しいゴジラの造形と大真面目なストーリー展開が特徴のような気がします。

ゴジラは着ぐるみではなくCGで表現されているので、滑らかでかつ複雑な動きも可能になったようです。東京湾から出現して河川を泳ぐようにして遡りやがて二足歩行の形態に移行する様子は着ぐるみでは出来なかっただろうと思います。口を開く場面だけでも、今までのシリーズでは見られなかった細かい描写に進歩を感じずにはいられませんでした。核を食らって生きているという設定は従来通りですが、ゴジラが通った跡で放射線が拡大するという話があり、「マイクロシーベルト」という単位がセリフの中に登場します。「3.11」以降、頻繁に聞くようになった言葉ですが、放射能の脅威を数値で測れるようになるわけで、恐怖心を煽ります。

政治家と官僚、科学者たちが主人公の群像劇で、一般の市民は主要人物の中にはいません。本当にゴジラが出現したら、日本の中枢はどのような行動をとるだろうかということを、正面から真面目に作り込んでいます。東京湾で地下道が異常事態で浸水した導入部なんて政治家と官僚の専門用語が飛び交うドキュメンタリーのようで、怪獣映画を期待して見に来た人には面食らう場面かもしれません。自衛隊が巨大不明生物相手に火器を使用するのにも法律の壁があり、議会を通さずに実行するのには総理大臣の難しい判断が必要になるようです。恋愛も親子の絆も友情もなにもない話です。国家と異常な緊急事態との戦いです。子供が見たら眠くなる内容のドラマだと思います。

それでも一見の価値がある映画です。

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