新世紀、パリ.オペラ座2017年12月22日

ドキュメンタリー映画。
冒頭、パリの街並みを背景にして建物の屋上と思われる場所にフランス国旗が掲げられる。バロック様式の構造が有名な外観は一度も登場しない。カメラは劇場の内部に潜入し、オペラ座で仕事をしているあらゆる人々にスポットを当ててその姿を追いかけてゆく。
最初はオペラ座の総裁が他の幹部たちと打ち合わせをする場面である。ここで劇場の演目がオペラとバレエであることが語られる。そしてこの分野においては世界最高の舞台であると彼らが自負していることもわかる。
歌手、音楽監督、バレエ団芸術監督、演出家、バレリーナ、劇場のスタッフ、牛、様々な登場人物が自分の仕事を全うするために、力を尽くして葛藤する映像が紡ぎ出されていく。
印象に残ったのは踊り終えたバレリーナが舞台裏に引っ込んだ後の姿。床にへたりこみ、汗まみれ、全身で荒い呼吸をしながら空気中の酸素を肺に取り込んでいる場面である。その姿は映画のポスターにもなっている。
華麗なダンスにも全身全霊の魂がこもっていたのだった。

プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード2017年12月22日

千七百八十七年というから日本だと江戸時代の話である。当時モーツァルトはプラハで「ドン・ジョバンニ」を作曲していたという。これは史実であるそうな。「ドンー.」は女好きの貴族を描いたオペラだそうですが、映画でも女狂いの男爵が登場し、若くて美人のオペラ歌手を妻にしようと画策する。彼女と恋愛関係になるのがプラハ時代のモーツァルト、という展開なのだ。
若くて美男で貧しい芸術家と高貴な家系の若い美女(またはその逆)との関係はなんとなく「ローマの休日」とか「タイタニック」「シンデレラ」などを思い出してしまったが、物語を盛り上げるためには定石であると言っても過言ではないでしょう。
実際にプラハでロケされたという映像とモーツアルト作曲の楽曲が美しく、俗にまみれた脳みそを現代の日本から18世紀のヨーロッパへと誘ってくれます。
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