「シティ.ハンター 史上最香のミッション」「ドクター.スリープ」 ― 2019年12月02日
シティ.ハンター 史上最香のミッション
フランス映画。原作は少年ジャンプの漫画でアニメにもなった日本の作品である。私は漫画もアニメも見たことはあるが、大したファンでもないので思い込みはない。ただ、実写版なのにもかかわらず、キャラクター達のビジュアル面での再現度が高いのは、素人の自分にもよくわかる。
私が見たのは吹替え版でしたが、この作品に限っては日本語で楽しんだ方が正解なのではないでしょうか。漫画そっくりなだけに獠や香がフランス語で喋っていては雰囲気が台無しである。

ドクター.スリープ
前にも書いたことがありますが「シャイニング」は初公開時(私は高校生でした)キューブリック監督の作品にしてはあまり評判が良くなかったと記憶しています。何年も時間が経ってから評価が上がったという印象です。映像の美しさと怖さは比例しないといいますか。ただ、真冬の豪雪の中、人里離れた山奥に建つ巨大なホテルに家族三人だけで閉じ込められるという閉塞感が秀逸だったのかな、という印象です。
四十年後を描いた今回、主役のダニーは孤独な中年になっています。父親の遺伝なのかアル中の病歴があるようです。全米で連続児童失踪事件が発生します。謎の女が率いる不気味な集団が子供達を誘拐しているのですが、持ち前の超能力(シャイニング)で、彼らの悪行を見抜く少女が現れるのです。少女は自分と同じ能力を持つダニーをも見つけ出し、助けを求めるのです。
ここからは誘拐団とダニーたちの戦いが描かれます。クライマックスで前作に登場した展望ホテルが舞台となって決戦が始まるのです。

「羊とオオカミの恋と殺人」「THE INFORMER 三秒間の死角」「ラスト.クリスマス」「HUMAN LOST 人間失格」 ― 2019年12月06日
羊とオオカミの恋と殺人
築年が経過した1DKのアパートが舞台である。壁に簡単に穴が空き、隣の部屋が丸見えである。
私などは学生時代、四畳半一間のアパートに住んだクチであるが、時代が違う。現代においては最安値であろうクラスの住居であることは間違いがない。ここに住んでいるのは受験に挫折し、予備校すらやめてしまい、バイトで食いつなぐことすらままならない黒須くん。現代の「男おいどん」である(わかる人だけわかってください)。
壁の穴の向こうに住んでいるのは殺人鬼である。部屋に誘ってご飯を食べさせてくれ、しかも若くて可愛い女の子。でも殺人鬼である。軽~いタッチの映画で、す。本当に軽~いですよ。

THE INFORMER 三秒間の死角
犯罪捜査に関わる情報屋の男の話。FBIでも警官でもなくどこの組織にも属していない。おのれの刑期と引き換えに麻薬売買の組織に潜入した元犯罪者である。故に状況次第で躊躇なく切り捨てられる。密売組織の親玉を追い込むためにFBIに協力する男だったが、捜査の過程でニューヨーク市警の警官を見殺しにする羽目になる。
複雑な事情で刑務所に舞い戻った男は、誰も自分を守ってくれないと悟ったとき、家族のもとに帰るために、決死の行動を起こすのだった。
麻薬組織とFBI、ニューヨーク警察、情報屋、四つどもえの戦いが面白いですが、主題になっているのは家族と一緒にいたいお父さんの努力です。
ラストシーンに登場する公園は先日鑑賞した「マチネの終わりに」のラストと同じ場所ですな。
ファック、ファック、ファックが連発される劇中の言葉遣いは外国人の私が聞いていても愉快なものではなく、壁の落書きみたいな刺青も阿呆と違うかと思いますが、私が古いんでしょうかね。作品は面白かったですよ。

ラスト.クリスマス
なんの予備知識もないままに鑑賞した作品。題名がワム!の名曲そのまんまですが、本当に「ラスト.クリスマス」が主題歌になっているだけではなく、ジョージ. マイケルの他の歌も散りばめられていて、心は「平成」を飛ばして「昭和」に戻ったような気分である。
舞台は英国のロンドン、主役は旧ユーゴスラビアから家族とともに移民してきたケイト。先住民と流入してきた移民たちの軋轢は、世界中で何世紀も前からあるように思いますが、近年においてまた注目されている問題なのでしょうか。この作品の中でも日常の風景の中に外国から移住してきた人たちに優しくなれない英国人の方が登場します。この部分は日本においても他人事ではないですね。
少々だらしがない主人公で、私はあまり好きになれないタイプの女性なのですが、クリスマスのおとぎ話としてはなかなか良かったと思います。

HUMAN LOST 人間失格
昔、太宰治の「人間失格」は読んだ。主役の名前やセリフ、道化などのキーワードは小説と共通するけれど、もちろん全く別の話である。
昭和百十一年という時代設定がわかりにくいですが、西暦に直すと2030年代の中頃なので、そう遠くない未来です。医療革命によって日本人の寿命が百年以上になったという。人間がロスト体と呼ばれる異形の怪物に変容するという理屈が今ひとつわからなかったが、百二十歳に到達すると人間合格という式典があるというのは誰が考えたのか知らないが傑作である。

ルパン三世 THE FIRST ― 2019年12月12日

とは言え、カップヌードルが登場しますし、外国の道路を埼玉県警のパトカーが走っていますし、あまり真面目に考えるのも野暮ってもんです。
紙媒体の漫画、テレビ、映画、どのルパンが好きなのかは人それぞれでしょう。パズル的な謎解きは、本家モーリス.ルブランのアルセーヌ.ルパンも大好きなのですよ。「奇巌城」「カリオストロ伯爵夫人」とか(笑)
「ジュマンジ.ネクストレベル」「屍人荘の殺人」「カツベン!」 ― 2019年12月14日
ジュマンジ.ネクストレベル
テレビゲームになったジュマンジ。ゲーム中で様々なキャラクターに変身できるのが魅力的なのだ。中でも人気はドウェイン.ジョンソンだろう。強くてかっこいい。「北斗の拳」で言うならばラオウのような存在である。前作で懲りたはずのスペンサー君が再びゲームの中に戻ろうと血迷ってしまう動機は現実逃避なのですが、要は強くなりたいという願望なのだった。
ただし、このゲームは一時の気の迷いで参加していいものではありません。命に関わります。
スペンサー君を救うためにかつてゲームに参加した友達たちが再び飛び込むのです。
駝鳥がケッサクだった。

屍人荘の殺人
(ネタバレ注意)
人里離れた湖畔の山荘で起きる密室殺人事件、謎解きに挑むのは大学生の男女三人組。
綾辻行人の「館シリーズ」のコメディ版みたいな映画を想像していたのだが、まさかのゾンビである。野外音楽フェスで大量のゾンビが発生し、取り囲まれて十数人が山荘に閉じ込められてしまう。殺人事件が起こるのはそのような状況下においてなのだ。
連続殺人における犯人の動機と解決に至る推理劇は真面目に考えられていて、見ていて楽しい。
それにしてもワトソン役の神木さんは爽やかですねぇ。あんな容姿ならば地下鉄で女性の隣に座るときも躊躇して身を固くする必要もなさそうである。

カツベン!
大正時代、無声映画が庶民の娯楽だった頃の話である。画質が悪く白黒で音の出ない画像を白幕に映しながら、フルート、三味線、太鼓の生演奏で、弁士が舞台脇に立ち、絵本を読むように観客に語って聞かせる、それが活動写真である。
私が子供の頃、NHKでチャップリン小劇場という番組がありまして、フランキー堺が無声映画のナレーションを務めていましたが、実際に劇場で無声映画を鑑賞したという経験は残念ながらありません。
弁士の語りで写真が全く別のものに変わるということをこの作品は教えてくれました。映画愛に溢れていて、素敵な内容です。昔の劇場は映画館というよりは芝居小屋という雰囲気です。

「妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」「ぼくらの7日間戦争」 ― 2019年12月17日
妖怪学園Y 猫はHEROになれるか
妖怪ウォッチというと子供達に大人気のアニメを連想します。私でもジバニャンは知っています。
しかし、この映画はテレビでやっている「妖怪ウォッチ」とは別の話になっていて、登場するキャラクターも舞台設定も全く違う内容です。主人公たちの年齢も少し上がっています。
「トップクラスの能力を有する者だけが入学を許される超エリート校.Y学園」
そう、これは学園ドラマなのです。しかも近年みたアニメ映画の中において、最もギャグがキレキレで、サエわたっていたと言えましょう(私のツボにハマったという意味ですよ)
変身ヒーロー、青春学園、怪事件、笑い、主題歌ピンクレディー、内容てんこ盛りです。
平日朝イチの上映回で観客は私一人。広い劇場のど真ん中で、貸切で鑑賞しました。みなさん、この映画を見に行ってください。シリーズ化を望みます。

ぼくらの7日間戦争
政治家の父親が自分の野心のために北海道から東京に引っ越すという。娘の気持ちなど一切かまうことなく、一週間後には転校、転居を余儀なくされる。せめて自分の誕生日くらいはここで迎えたかった。惚れている幼馴染の心情に共鳴した男の子は「逃げよう、、、」と告げる。
これに同調した数人の同級生が加わった、と。ここまでは共感できました。
廃坑になった石炭工場を秘密基地にするあたりも夢があってよかったです。が、大人たちに見つかってしまってはいけません。大人たちは当たり前の行動をしているのですが、事態は立てこもり犯と包囲隊の戦争のような様相になってきます。お互いが感情的になり不愉快な諍いが発展していくのです。あまり楽しい話ではありません。
宮沢りえの昔の映画も見ているのですが、あまり記憶に残っていません。私は年をとりすぎたのですね。

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