アンダーカレント2023年10月07日

銭湯を経営する女主人のもの語り。
お客と対面する番台が内側の脱衣所に向かっているタイプではなく、ホテルのフロントみたいに下足場に面していて間に狭いロビーがある。私が社宅に住んでいたときに通っていた銭湯と同じような構造で、少し懐かしかった。

風呂屋の女主人を中心に、何も言わず旅行先で突如失踪した夫、再開した銭湯に住み込みで働き始めた無口な男、同級生に紹介された人探しの探偵が、紡ぎ出す人間模様、です。
脇役ですがリリー.フランキー演じる山﨑という探偵が面白い。足を使って質問を繰り返し、人の家族の闇を炙り出してゆく。見ようによっちゃ米国のアーチャーみたいな探偵ですな。
堀という謎の男は失踪とは関係がないので探偵は絡みませんが、銭湯の職人として静かに女主人を見守っています。住み込みですから男と女が一つ屋根の下にいるわけで、じっと見ている第三者は潜在的に多いと思われます。中に鋭いのがいるわけです。

私は原作を知らないので、意外な展開でした。
後で知ったのですが、この映画の監督は「窓辺にて」と同じ人だったんですね。
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