うろやつひいず

来たのは約二十年ぶりだと思う。友人の知り合いがここに別荘を持っていて、夏の休日に同行させてもらったことがあるのだ。携帯電話が一般人にも普及し始めた頃で、当時私が使っていたIDOの電話は関西では通信圏外だったのだが「ローミング」なる機能を使うと通話が可能になった。別荘のリビングルームでやり方を教わった記憶があります。

駐車場を探すのに苦労した。浜に近い場所だと夕方5時ごろまで、何分間止めようとも一律2000円である。100円パーキングに慣れている人間には法外に高いと思わせる値段だが、ここは観光地なのだ。小一時間海岸線の道路を行ったり来たりしながら探し回り、1000円の所に駐車した。道路の脇で団扇に「1000円」と書いて呼び込みをしているおじさんに声をかけて案内してもらったのだ。場所は民家の庭だった。リックを背負って道路を歩き、民宿が立ち並ぶ横の小道を通って防風林を抜けると白良浜の海が目の前にひらけた。白い砂浜を眺めながらペットボトルのお茶を飲みつつ日光浴をして午前中を過ごしました。