男はつらいよ 拝啓 車寅次郎様(4Kデジタル修復版)2020年11月23日

寅さん四十本目。第四十七作、平成六年の公開。
都内の靴会社に就職している満男。朝、ネクタイを締めてスーツを身にまとい満員電車に乗って通勤しています。就職活動で散々苦労して入った会社のはずなのだが、もうやめたい気持ちになっている満男くん、その気持ちわかる。学生時代との落差はあまりにも大きい。社会の現実にさらされて苦悩する満男の元に大学時代の先輩からハガキが届く。「長浜(滋賀県)まで遊びに来い。相談したいことがある」と書いてある。

琵琶湖。ワゴン車から機材一式を下ろし、湖のほとりで写真を撮影している女(かたせ梨乃)がいた。通りがかった寅さんが声をかける。「おねえさんは写真屋さんかい」と。普通は見知らぬおっさんが喋りかけてくると怖いものだが、抵抗なく会話が成立するのは寅さんの人柄のせいである。短い会話の後「邪魔したな。足場が悪いから気をつけなよ、あばよ」と去っていこうとするが、背後で女が派手に転ぶ。怪我は思ったより重症で、事態はおおごとになる。美人だと聞いて駆けつけてくる骨接ぎの医者は柔道着姿。二人を夫婦だと勘違いし「奥さんをしっかり押さえといてください」と言い、脱臼した腕をはめ込むのだった。その晩、二人は同じ旅館に泊まり、卓を囲んで酒を酌み交わしながら語り合う。身の上話から彼女は神奈川県に住んでいる主婦で旦那と娘がいること、趣味の撮影旅行に来ていることなどがわかるのだ。「床の用意ができました」という宿の男に奥さんと一緒の部屋には泊まらないから、俺の布団はお前の部屋に持って行けと注文する寅さん。
翌日の朝、神奈川から彼女の旦那さんが迎えにくる。去っていく車を静かに見送る寅さんだった。

同じく琵琶湖のほとりにある長浜市。先輩の実家を訪問した満男は、そこで先輩の妹の菜穂ちゃん(牧瀬里穂)と出会う。第一印象は悪かったのだが、菜穂の案内で地元の町を歩いていくうちに誤解が解けて、仲良くなっていく若いお二人さん。曳山祭りの山車を見物しているとき満男は思わず「つき合っている人とかいるの?」聞いてしまうのだ。「いてると思う?」と返す菜穂ちゃん。と、そのとき背後から寅さんがぬっと現れて「いたっていいじゃねぇか」と囁くのだ。

カメラの主婦の名前も知らない寅さん、妹とくっつけようと画策する迷惑な先輩に困惑する満男。長浜でのマドンナ達との時間は短くて二日間の話であり、進展するものではない。ただ魅力的な相手の女性に大いに心を動かされる寅さんと満男の回でした。後日、くるまやを訪れた神奈川の主婦は名刺を置いていく。ここで初めて寅さんは名前(宮典子)を知ることになる。満男の運転で鎌倉を訪れた寅さん、最後は江ノ電のホームで立ち話をし、二人は別れる。
前回の「縁談」で寅さん化した満男くん「恋をするのはしんどい」とぼやくのでありました。

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