半世界2019年02月20日

三重県の英虞湾が舞台になっているのだろうか。登場する路線バスの行き先が伊勢神宮周辺の近鉄沿線だった。
海を望む山の中で炭を焼いている男と妻と子供と友人たちの話である。
私は転勤族なので大都市圏から比較するとかなりの遠隔地で暮らした経験もありますので、いろいろな事情で健康で文化的な生活をするのに制限がある地方の現実も思い知ったものでした。無駄に都会の生活を知っているだけに、期限も何も知らされずに縁もゆかりもない土地に飛ばされる恐ろしさは一度も転勤を経験したことのない人にはわかるまい。特に政治経済文化芸術すべてにおいて簡単にアクセスできる首都圏での生活を経験してしまうと、日本中のどこに行こうが、その落差に愕然とするでしょう。
ただし、狭くてうるさくてせわしないのが嫌な場合は地方の方が居心地がいい可能性があります。電車が二分おきに来ない幸せは確実にあります。主人公の男たち三人は子供の頃から高校を卒業するまで同級生だったという親友同士です。生まれた時から、海と山に囲まれて、大人になったという記憶。そうだった、自分は地方で生まれて育ったんだと、あらためて思い出させてくれた映画でした。
そもそも主役の稲垣吾郎は生まれてからずっと地元にいて、親の仕事を継いで山の中で炭を焼いているのである。
世界も都市も地方も関係ない。

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