サウスポー2016年06月05日

最近、鑑賞した「クリード」は映画の構成が「ロッキー」と同じだった。主人公と恋人(妻)トレーナーとの関係、トレーニング、クライマックスの試合展開、すべてにおいて「ロッキー」はボクシング映画の雛形になっているのだ。この「サウスポー」も例外ではない。見ていて「クリード(ロッキー)」だ、と思った。
それでも、「サウスポー」は、いい。
考えることが苦手な主人公(ギレンホール)を聡明な妻(マクアダムス)が支える姿、そして二人の間に生まれた10歳になる娘との三人家族の絆を丁寧に描いた導入部。
その妻が死んでしまうことで残された家族が一気に転落していく、前半部。
後半はどん底からの再起の物語だ。主人公は場末のようなボクシングジムに黒人のオーナー(ウィテカー)を訪ねていく。彼(ギレンホール)は本物のボクサーであり、支えを失った自分を鍛えることが出来る人物が何処にいるのかちゃんとわかっているのだ。なんの面識もないのに、ひとりで乗りこんで「俺に教えてくれ」と頼みこむ。
どのような人生を送ってきたのか、背景はあまり語られることはないけれど、トレーナーを務めることになる(ウィテカー)が、実に深い人物で、クライマックスの試合に向けて精進していく道のりが、この映画の見どころになっている。

酒はひとりで飲むものだ。

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